第2回「松川賞」入賞作品

第2回「松川賞」は以下の通り決定いたしました。
多数のご応募ありがとうございました。
2009.4.28.

募集期間:2008年12月1日〜2009年3月10日
応募総数:65作品
第一次選考(2009年4月10日)結果:入賞候補作品 25作品。
第二次選考(2009年4月27日)結果:松川賞入賞作品 5作品。

 第2回「松川賞」入賞作品 (応募受付順)
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No.7

作品名:「波の記憶 …舟大工、新城康弘の物語…」
     なみのきおく ふなだいく、あらしろやすひろのものがたり

・応募者名:床田和隆
・作品時間:52分
・製作年:2007年
・監督・制作・撮影・編集:床田和隆

 琉球列島南端の石垣島で一人暮らしの新城康弘(あらしろ やすひろ)さんは。今では数少ない木造船の造船技術を持つ職人。映画は、彼の半生と舟に寄せる思いをつづった。
 監督・制作者は、自宅の北海道苫小牧から2003年より1年間石垣島に居住し、撮影を開始。美しい石垣島を背景に、木造船サバニの造船技術と舟大工の仕事ぶりを、味わい深い言葉に溢れたインタビューを交えて爽やかに描く。
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No.28

作品名:「団旗の下に」
      だんきのもとに

・応募者名:大須賀康之
・作品時間:60分
・製作年:2007年
・製作:藤田修平研究室
・監督:大須賀康之、根来知宏

 日本でも有数の規模と伝統を誇る明治大学応援団。その附属中学校は男子校で、同様に応援団がある。その応援団に小学校を卒業して間もない初々しい新入生が入団してきた。滅私奉公の精神を基本とし、厳しい訓練に耐え、絶対的な上下関係に従わされる応援団の部活動を通して、少年はどう変わっていくのか。最後には驚きの展開もあって、応援団という組織を通して、日本の社会や集団が抱える普遍的問題点も見えて来る。今年の選考会を賑わせた話題作!
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No.29

作品名:「面打/men-uchi」
      めんうち

・応募者名:三宅流
・作品時間:60分
・製作年:2006年
・監督:三宅流

 22歳の若手面打、新井達矢が一つの能面を制作し、観世流能楽師・中所宜夫による舞によって、面に命が吹き込まれるまでを追った。ナレーション・インタビュー・言葉による説明を一切排し、一塊の四角い木が削られ、剥がされ、次第に表情を帯びていく様子を見つめ続ける。沈黙の作業空間に、営利な刃物が木を刻む音だけが静かに響きわたる。大胆な手法を試みた意欲作。
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No.59

作品名:「住民票を返せ!」
      じゅうみんひょうをかえせ!
・応募者名:金稔万
・作品時間:45分
・製作年:2008年
・製作:「選挙権を返せ!」製作実行委員会

 大阪市西成区釜ヶ崎地区、日本最大のドヤ街、日雇い労働者が多く暮らす通称あいりん地区。ここにある5階建ての44㎡ビル「釜ヶ崎解放開館」に、約3300人もの住民票が登録されていたことがマスコミ報道で明らかになった。 市当局が居住実態がないこの3300人の住民票を削除すると決めた事に怒った労働者や路上生活者やその支援者達が、住民票と選挙権を求めて闘っていく様子の一部始終をカメラが追った。
 市政の迷走、行政の怠慢とお粗末な対応、一方で食べていくために、暮らしていくために行政を相手に激しく闘っていく人々の声、面構え、その迫力とみなぎるパワー。運動の中に入り込み、彼らと肌を擦り合せながら捉えた映像が迫って来る力強い作品。日本のある面の縮図が浮かび上がってくる。
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No.62

作品名:「にっぽんの記憶 第二話 盆のはなし」
      にっぽんのきおく だいにわ ぼんのはなし

・応募者名:平田潤子 (テレコムスタッフ)
・作品時間:29分30秒
・製作年:2008年
・製作:テレコムスタッフ
・ディレクター:平田潤子
・プロデューサー:寺島高幸、大伴直子
・撮影:山崎裕

 柳田國男の随筆「清光館哀史」をもとに、岩手県三陸海岸沿いの小さな漁村に伝わる盆の風習を通して、日本人の精神世界を描き出した。柳田の情緒あふれる文体の朗読に、哀愁漂う小さな漁村の風景を重ね合わせ、「南無阿弥陀仏」の思いが全編を覆い、日本人の死生観と北国の生活を幻想的に編み上げた、深い深い作品。
 上記入賞作品5作品は、第12回ゆふいん文化・記録映画祭で上映いたします。
また、入賞作品5作品のうち、「大賞」1作品を
映画祭当日に選考・発表いたします。


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