第3回「松川賞」入賞作品 |
応募受付 No.22 |
作品名:「お父さんとわたしの海 〜面潜漁に生きる夫婦〜」 おとうさんとわたしのうみ めんせんりょうにいきるふうふ ・応募者名:静岡放送 報道制作局 土方康太郎 ・作品時間:47分 ・制作:静岡放送 伊豆半島の東海岸、伊東市富戸(ふと)に昭和の初期に始まった「面潜漁(めんせんりょう)」を受け継ぐ一組の夫婦がいる。稲葉淳夫さん(66歳)、すみ枝さん(60歳)夫婦。ウェットスーツに潜水マスクをつけて潜る妻、船から酸素を送る夫、二人は一本のロープで結ばれている。危険と隣り合わせの面潜漁は二人の息があわないとできない、まさに「夫婦の絆」が命綱だ。過酷な伝統漁を必死で守る夫婦とそれを見守る家族の姿を愛情一杯に描いた。 応募受付 |
No.35
| 作品名:九州国立博物館映像アーカイブス「大善寺玉垂宮の鬼夜」 だいぜんじたまたれぐう の おによ ・応募者名:福岡県立アジア文化交流センター ・作品時間:58分 ・製作・著作:福岡県立アジア文化交流センター/制作:RKB映画社 毎年1月7日に福岡県久留米市の大善寺玉垂宮(だいぜんじたまたれぐう)で行なわれる「鬼夜(おによ)」。千数百年の歴史をもつこの祭りは大晦日から1月7日まで続く一連の祈願祭の満願の行事で、日本三大火祭りの一つとも称され、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。 町内の6つの地区で作られる全長13mの巨大な大松明を、総勢四百数十人の褌姿の氏子たちが、降りかかる火の粉をものともせずに勇猛果敢に担ぎ上げ境内を廻る様は荘厳華麗。その定められた役割や、手順、しきたりなどを克明に追いながら、悠久の伝統を紹介しつつ、興奮のるつぼと化す祭りの熱気と興奮を見事に映像化した。 応募受付 |
No.29
| 作品名:「福祉番長!」 ふくしばんちょう! ・応募者名:東海テレビ放送 報道スポーツ局 阿武野勝彦 ・作品時間:47分 ・制作:東海テレビ放送 滋賀県大津市にある事業所型共同(働)作業所長の米澤大さん(31歳)は、元ヤンキー。体重百キロの巨漢。ダブルのダークスーツに、髪はリーゼント。その風貌は、「番長」そのものだ。東京の裕福な家庭で生まれたが、両親の離婚をきっかけに非行を繰り返す荒くれ者だったが、偶然の人との出会いをきっかけに一転して更正し、「福祉で日本一になりたい」と障害者8人が働く会社を立ち上げた。知的障害や精神障害などを抱える8人の従業員達を雇っての会社運営は決して楽ではないが、大らかで懐の深い愛情を注ぎ続ける米澤さんと明るくて個性豊かな社員たちの人間的な魅力が溢れている。愛と優しさに包まれた人間ドキュメンタリー。 応募受付 |
No.45
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作品名:「前事不忘 後事之師 〜731部隊元少年隊員の証言〜」 ぜんじふぼう こうじのし 731ぶたいもとしょうねんたいいんのしょうげん ・応募者名:山岡 央 ・作品時間:59分 ・制作:高柳美知子、保田行雄 日中戦争から第二次世界大戦にかけて旧満州(現中国)のハルピン市に存在した関東軍防疫給水本部・第731部隊。病原菌を兵器として利用する細菌兵器の開発・研究を任務とし、人間を実験材料として使用し虐殺したこの旧日本陸軍の秘密部隊に、14歳から17歳までの少年が全国から集められた。その一人だった篠塚良雄さんも15歳でこの731部隊に配属され四年間、在籍した。篠塚さんはいま86歳。長く勤めた職場を定年退職したことを契機に、自分の胸につかえていた記憶、自身が中国で行なった加害の事実を語り始めた。自らの意思に関らず従事したとはいえ、人としてしてはならない事に手を染めてしまった自分の過去を語る篠塚さんの堪え難い思い。「被害者の立場に立ってみなければ真実はわからない」と語る篠塚さんの言葉に、戦争は多くの無為の人々を被害者にすると同時に加害者にもさせてしまう事の意味をずっしりと問いかける。
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